Tak Matsumoto & Daniel Ho「Electric Island, Acostic Sea」
Tak Matsumoto & Daniel Hoのコラボアルバム「Electric Island, Acostic Sea」の、簡単な感想。
Electric Island, Acoustic Sea [CD ]
- アーティスト: Tak Matsumoto & Daniel Ho
- 出版社/メーカー: バーミリオンレコード
- 発売日: 2017/02/08
- メディア: CD
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コラボアルバムだと、ラリーカールトンと組んでグラミー賞を取った「Take Your Pick」以来になる。
あのアルバムは互いの持つアーティストイメージを掛け合わせることに忠実だったから、今回もまたそうだろうと思っていたが、意外と松本の色が強いロックアルバム然とした作風。「Fujiyama Highway」や「Wander Blues」では弾きまくる。現時点でのB'zでの最新作「EPIC DAY」や個人名義での最新作「enigma」にしてもそうだが、ここ数年、縦横無尽に多彩なフレーズを弾きこなす松本を聴くことができて僕は嬉しい。
一時期、ここ5年前あたりまでは、音数を少なくしてトーンに拘って、音と音の「間」を重視する……本人曰く「大人」のプレイをモットーにしていたらしく、B'zにもソロワークにも、確実にそれが反映されていた。当人の中でその試みは成功していたのかは知らないが、僕はそれらのプレイからは確実に退屈さを覚えていたし、今も昔も松本は複雑なパッセージを軽やかに弾きこなしてこそのギタリストだと思っている。だから、ハワイのウクレレミュージシャンとのコラボと銘打たれたこの企画で、容易に「大人」に逃げなかったことは、僕の中ではとても良い印象だったのだ。
ダニエルは多彩な楽器を使いこなすマルチプレーヤーで、弦楽器なら何でもござれらしい。松本のディストーションがかった太いギターの隙間を縫うように、12弦のアコギ、琴、三線、オルガン、とにかく色々な音を入れている。1回聞き流すだけでは分からない仕掛けがあちらこちらにあり、ポップながら決して簡単ではないサウンドだ。
強いて難点を挙げるなら、数回聴いた限りではどの曲もいまいちメロディラインが頭に入ってこない。パッと聴いた時点での分かりやすい旋律に欠けるのは、それこそenigmaでもそうだった。キャッチーなメロディを楽しむというよりは、音を堪能する方面に特化しているアルバムと言い換えられるかもしれない。
簡単な感想と言いつつ、無駄に長くなったからこれで終わりにする。
“Faithfully” Tak Matsumoto & Daniel Ho
Journeyのカバー曲で、原曲は「Frontiers」に収録。
このアルバムが発売されるのは明日……つまり今日はフラゲ日だが、奇しくも今日、Jouneyは「Escape」と「Frontiers」の完全再現ライブを開催するらしい。当然この曲も演奏するだろう。行きたかったですね。